○松本広域消防局救急業務規程

平成11年2月1日

松本広域消防局訓令第14号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 救急業務等の管理

第1節 管理責任(第3条・第4条)

第2節 隊の編成(第5条・第6条)

第3節 救急態勢整備計画等(第7条―第9条)

第4節 救急資器材の管理(第10条―第12条)

第5節 救急指導医(第13条・第14条)

第3章 救急技能の管理

第1節 技能管理等(第15条―第16条の2)

第2節 訓練(第17条―第20条)

第3節 救急研究会等(第21条・第22条)

第4章 救急活動等

第1節 救急活動の基本(第23条)

第2節 救急活動の実施(第24条―第37条)

第3節 任務(第38条・第39条)

第4節 安全管理(第40条―第42条)

第5節 行動監査(第43条)

第5章 普及業務等

第1節 普及業務(第44条―第47条)

第2節 民間患者等搬送業務に対する指導等(第48条)

第6章 救急活動記録及び報告

第1節 救急活動記録(第49条)

第2節 報告等(第50条―第57条)

第7章 雑則(第58条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に基づく救急業務の効率的な運営を図るために必要な事項を定めることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 救急業務 法に定める業務をいう。

(2) 救急業務等 救急業務及び訓練並びに応急手当の普及活動をいう。

(3) 救急事故 救急活動の対象となる事故等をいう。

(4) 救急現場 救急業務の対象となる傷病者のある場所をいう。

(5) 救急活動 救急業務を行うための行動で、救急隊の出動から帰署までの一連の行動をいう。

(6) 医療機関 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に定める病院及び診療所をいう。

(7) 救急指導医 救急業務について必要な指導を行う医師をいう。

(8) 救急資器材 救急活動、訓練又は応急手当の普及等を行うために必要な資器材をいう。

(9) 救急救命士 救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に定める者をいう。

(10) 指導救命士 消防大学校又は一般財団法人救急振興財団が行う指導救命士養成のための研修を修了した者の中から消防長が推薦し、長野県メディカルコントロール協議会長から指導救命士の認定を受けている者をいう。

第2章 救急業務等の管理

第1節 管理責任

(救急業務等の管理責任)

第3条 警防課長(以下「課長」という。)は、この規程の定めるところにより松本広域消防局管内の救急事情の実態を把握して、これに対応する救急業務等の執行体制の確立を図るとともに、消防署における救急業務の調整等を行い、救急業務等の万全を期するものとする。

2 消防署長(以下「署長」という。)は、この規程の定めるところにより、所属職員を指導及び監督し、執行体制の確立を図るとともに、救急業務等の万全を期するものとする。

(関係機関等との連携)

第4条 課長及び署長は、救急業務等に関係ある機関及び団体と密接な連携を図り、救急業務等の効率的な運営に努めるものとする。

第2節 隊の構成

(救急隊の構成等)

第5条 救急隊は、救急自動車及び救急隊員をもって構成する。

2 前項の救急隊員は、救急隊長、救急員及び救急自動車を運行する機関員(以下「救急機関員」という。)をもって編成する。

(救急隊員の指名等)

第6条 署長は、救急隊員の資格を有する者の中から、救急隊員を指名するものとする。

第3節 救急態勢整備計画等

(救急態勢整備)

第7条 課長は、救急業務の執行態勢の整備に関する必要な計画を樹立するものとする。

(救急情報の収集及び管理)

第8条 課長及び署長は、救急業務に関する情報及び救急事故の予防対策に必要な情報(以下、「救急情報」という。)を収集し、救急業務等に反映させるとともに、救急情報の適正な管理に努めるものとする。

(救急業務等の対策資料)

第9条 課長及び署長は、救急業務の執行に必要な資料を整備するものとする。

第4節 救急資器材の管理

(救急資器材の管理)

第10条 課長は、次の各号に掲げるところにより救急資器材の管理等に努めるものとする。

(1) 救急資器材の整備・改善を図ること。

(2) 救急資器材の使用実態を把握し、効果的な活用方策を講ずること。

2 署長は、配置されている救急資器材の効果的な活用を図るとともに、常に点検整備及び消毒を行い、適正な管理に努めるものとする。

(救急資器材管理責任者の指定)

第11条 署長は、救急資器材の管理体制の万全を期するため、救急資器材管理責任者を指定するものとする。

2 救急資器材管理責任者は、救急資器材の適正な管理を行うため、救急資器材の点検、整備及び消毒の執行計画を作成するとともに、救急隊員に対する指導を行うものとする。

(救急資器材の特別検査)

第12条 課長は、救急資器材について定期的に特別検査を行い、安全性及び機能の維持に努めるとともに、必要な措置を講じるものとする。

第5節 救急指導医

(救急指導医)

第13条 消防局に救急業務を円滑に実施するため、必要に応じ救急指導医をおくことができる。

(救急指導医の職務)

第14条 救急指導医は、次の各号に掲げるところにより指導に努めるものとする。

(1) 救急業務の遂行に必要な助言

(2) 救急隊員の技術向上を図るための指導等

第3章 救急技能の管理

第1節 技能管理等

(技能管理)

第15条 課長は、救急処置技術の改善に努め、救急隊員等の知識及び技術(以下「技能」という。)の向上を図るものとする。

2 署長は、救急隊員の技能の向上を図るために必要な指導を行い、技能管理の適正を図るものとする。

3 課長は、必要と認めた場合、救急隊員の指導を行い、技能管理の適正を図るものとする。

(救急技術指導員の指定)

第16条 署長は、消防司令補以上の階級にある者の中から、救急技術指導員を1名指定するものとする。この場合においては、努めて救急実務経験を有する者を充てるものとする。

2 救急技術指導員は、救急隊員の技能の維持向上を図るため、指導を行うものとする。

(指導救命士の役割)

第16条の2 指導救命士は、指導的立場の救急救命士として、救急隊員の技能向上に係る教育指導、助言等を行うとともに、救急業務等に関係のある機関及び団体と連携を図り、救急業務等の円滑な遂行に努めるものとする。

第2節 訓練

(訓練指針)

第17条 課長は、救急隊員の技能向上を図るための訓練指針を示すものとする。

(訓練計画の樹立)

第18条 課長及び署長は、前条の訓練指針に基づき、訓練計画を樹立するものとする。

(訓練の実施)

第19条 署長は、救急隊員に対して、救急活動に必要な訓練を計画的に実施するものとする。

2 課長は、技能の統一及び向上を図るために必要と認める場合は、署長に訓練を行わせることができる。

(訓練の区分)

第20条 訓練は、基本訓練、総合訓練及び普及技能訓練とし、次の各号に掲げるところによるものとする。

(1) 基本訓練 救急隊員として、救急活動に必要な技能を習得するために行うもの

(2) 総合訓練 救急隊として救急活動全般に対応できる活動能力の向上を図るために行うもの

(3) 普及技能訓練 第44条に定める普及業務に必要な指導能力を養うために行うもの

第3節 救急研究会等

(救急研究会)

第21条 消防長は、救急行政施策及び救急業務に関する技能の向上に資するため救急研究会を開催するものとする。

(救急検討会)

第22条 課長及び署長は、救急活動の施策に資するため、救急活動に関する検討会を実施するものとする。

第4章 救急活動等

第1節 救急活動の基本

(救急活動の原則)

第23条 救急活動は、救命を基本とし、傷病者の観察及び必要な救急処置を行い速やかに適応医療機関に搬送することを原則とする。

第2節 救急活動の実施

(観察及び判断)

第24条 観察は、傷病者の周囲の状況、救急事故の形態及び傷病者の状態を把握し、救急処置等の判断に資するために行うものとする。

(救急処置の実施)

第25条 救急処置は、傷病者を医療機関の医師に引き継ぐまでの間又は医師が救急現場に到着するまでの間に、応急の処置を実施しなければ当該傷病者の生命に危険があり、又はその傷病が悪化するおそれがあると認められる場合に行うものとする。

(医師の指示)

第26条 救急救命士の資格を有する救急隊員が、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条で定める処置を行う場合は、医師の具体的な指示を受けるものとする。

(医師への協力要請)

第27条 医師に対する現場への協力要請は、次の各号に掲げる場合に行うものとする。

(1) 傷病者の状態から、搬送することが生命に危険であると認められる場合

(2) 傷病者の状態からみて、搬送可否の判断が困難な場合

(3) 傷病者の救助に当たり医療を必要とする場合

(医師等の同乗要請)

第28条 医師等に対する救急自動車への同乗要請は、次の各号に掲げる場合に行うものとする。

(1) 傷病者の搬送途上で、容態の急変により一時的医療処置を受けるために立ち寄った医療機関の医師が、目的医療機関まで医療を継続する必要を認めたとき。

(2) 救急現場にある医師が、医師の管理のもとに医療機関に搬送する必要を認めたとき。

(3) 救急隊長が、傷病者の状態から医師の同乗が必要であると認めたとき。

(救急現場付近にある者への協力要請)

第29条 救急現場において、救急活動上緊急の必要があると認められる場合は、付近にある者に対し、協力を求めることができる。

(医療機関の選定)

第30条 傷病者の搬送にあたっては、傷病者の症状に適した医療が速やかに施し得る最も近い医療機関を選定するものとする。ただし、傷病者又は家族から特定の医療機関へ搬送を依頼された場合は、傷病者の症状及び救急業務上の支障の有無を判断し、可能な範囲において依頼された医療機関に搬送することができる。

(傷病者の搬送)

第31条 傷病者の搬送に当たっては、傷病者の状態からみて搬送可能と認められる場合に限り当該傷病者を搬送するものとし、傷病者が複数の場合は、症状が重いと認められる者を優先するものとする。ただし、傷病者又はその保護者が搬送を拒否した場合は、搬送しないことができる。この場合、できる限り別に定める救急搬送辞退等署名記録票に署名を求めるものとする。

(傷病者の搬送制限)

第32条 傷病者が、次の各号の一に該当する場合は、当該傷病者を搬送しないものとする。

(1) 明らかに死亡している場合

(2) 医師が死亡していると判断した場合

(3) 傷病者が明らかに感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症予防法」という。)第6条に規定する一類感染症、二類感染症、新感染症又は同法第8条に規定する類似症及び病原体保有者である場合

(転院搬送)

第33条 現に医療機関にある傷病者を他の医療機関へ搬送(以下「転院搬送」という。)する場合は、当該医療機関の医師からの要請で、かつ、搬送先医療機関が確保されている場合に行うものとする。

2 転院搬送を行う場合は、当該医療機関の医師を同乗させるものとする。ただし、同乗による症状管理の必要がないと当該医療機関の医師が認め、かつ、搬送途上における相当な措置を講じた場合に限り、医師を同乗させないで搬送することができる。

(関係者の同乗)

第34条 未成年者又は意識等に障害がある者で、正常な意思表示ができない傷病者を搬送する場合は、保護者等関係者の同乗を求めるものとする。

(医療機関への引き継ぎ)

第35条 傷病者を医療機関へ引き継ぐときは、傷病者の状態、施した救急処置及び経過等を医師等に告げるものとする。

(保健所との連携)

第36条 救急活動に当たって、傷病者の状態から保健所との連携が必要と認められる場合は、必要な措置を講ずるものとする。

(医療用資器材等の輸送)

第37条 医療機関等から緊急に医療用資器材又は医薬品等の輸送について要請があった場合には、輸送することができる。

第3節 任務

(救急隊長の任務)

第38条 救急隊長は、救急現場の状況を的確に把握するとともに、救急員及び救急機関員を指揮して第4章に定める救急活動の基本的事項に基づき、適正な救急活動に当たるものとする。

(救急員及び救急機関員の任務)

第39条 救急員及び救急機関員は、救急隊長を補佐し、効果的な救急活動を行なうものとする。

第4節 安全管理

(安全管理の責務)

第40条 課長は、救急業務の遂行に必要な安全管理体制を確立するため、施設等の整備を行うとともに、安全に関する教育を実施し、安全管理の保持に努めるものとする。

2 署長は、施設、資器材の適正な管理及び安全に関する教育を実施し、安全保持に努めるものとする。

3 署長は、長時間の救急活動等により、安全管理上救急業務への支障が生ずるおそれがあると認められる場合は、救急隊員の交替等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(安全管理の主体)

第41条 救急活動における安全管理の主体は、救急隊員とする。

2 救急隊長は、救急活動の特性に応じた安全管理体制を早期に確立するとともに、救急員及び救急機関員を指揮して傷病者及び協力者等の安全保持に努めるものとする。

3 救急員及び救急機関員は、安全管理の基本が自己にあることを認識し、救急活動における安全監視、危険要因の排除及び行動規制等に配慮して危害防止に努めるものとする。

(感染防止対策)

第42条 署長は、救急業務の実施に際し、感染症予防法第6条に規定する感染症及び結核の病原体により汚染を受け、感染のおそれが生じた場合は、速やかに必要な措置を講じるものとする。

2 救急隊長は、救急活動の実施に際し、前項に規定する感染症及び結核の病原体による感染のおそれが生じる場合又は汚染を受け感染のおそれが生じた場合は、必要な措置を講じるものとする。

第5節 行動監査

(行動監査)

第43条 救急施策に反映させるために必要があると認める場合は、救急活動について監査を行うものとする。

第5章 普及業務等

第1節 普及業務

(普及業務)

第44条 消防長は、傷病者を応急に救護するために必要な知識及び技術の普及(以下「普及業務」という。)を効果的に推進するものとする。

(普及業務の指針)

第45条 消防長は、普及業務を効果的に推進するため、普及指針を示すものとする。

2 課長は、前項の普及指針に基づき、地域の特性に応じた普及業務の計画を樹立し、推進に当たるものとする。

(講習の実施)

第46条 消防長は、普及業務に関する講習を行うものとする。

2 前項に定める講習修了者のうち、別に定める者には講習修了証を発行するものとする。

(救急に関する広報の推進)

第47条 課長及び署長は、普及業務の効果的推進を図るため救急に関する広報を行うものとする。

第2節 民間患者等搬送事業に対する指導等

(民間患者等搬送事業に対する指導等)

第48条 民間の事業者が搬送用自動車を使用し、患者等の搬送業務を行う事業に対する指導及び認定については、別に定めるところにより行うものとする。

第6章 救急活動記録及び報告

第1節 救急活動記録

(救急活動記録)

第49条 署長は、救急隊が救急事故に出動した都度、別に定める救急活動記録票等を救急隊長に作成させるものとする。

第2節 報告等

(救急隊員の指名報告)

第50条 署長は、第6条に定める救急隊員の指名を行った都度、指名状況を速やかに松本広域消防局処務規程(平成11年松本広域消防局訓令第2号。以下「処務規程」という。)の定めるところにより消防長に報告するものとする。

(救急情報の報告)

第51条 署長は、第8条に定める救急情報のうち、特に重要と認められるものについては、その都度課長に報告するものとする。

(救急業務対策資料の報告)

第52条 署長は、第9条に定める救急業務対策資料を作成し、又は修正したときは、課長に報告するものとする。

(救急資器材の亡失・損傷報告)

第53条 署長は、救急資器材(備品)の亡失事故又は損傷事故が発生した場合は事故の概要を課長に即報するとともに、処務規程の定めるところにより速やかに報告するものとする。

(救急資器材の現況報告)

第54条 署長は、毎年3月末現在の救急資器材の状況を4月20日までに、救急資器材(消耗品)現況報告書(様式第1号)及び救急資器材(備品)現況報告書(様式第2号)により報告するものとする。

(訓練計画の報告)

第55条 署長は、第18条に定める訓練計画を樹立したときは、課長に報告するものとする。

(同乗研修の申請及び承認)

第56条 消防長は、医療に従事する者等が救急業務に関する実務体験又は研修等のために同乗研修を願い出た場合は、救急自動車同乗申請書(様式第3号)により申請させ、承認した場合は、救急自動車同乗承認書(様式第4号)を申請者に交付するものとする。

(特異な救急事故等の報告)

第57条 署長は、特異な救急事故等を取り扱った場合は、課長に報告するとともに、救急活動の内容等を特異な救急事故報告書(様式第5号)により発生後10日以内に報告するものとする。

第7章 雑則

(補則)

第58条 この規程の施行について必要な事項は、別に定める。

附 則

この訓令は、平成11年2月1日から施行する。

附 則

この訓令は、平成11年4月1日から施行する。

附 則

この訓令は、平成16年4月1日から施行する。

附 則

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

附 則

この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

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松本広域消防局救急業務規程

平成11年2月1日 消防局訓令第14号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第9編 消 防/第3章 警 防
沿革情報
平成11年2月1日 消防局訓令第14号
平成11年4月1日 消防局訓令第18号
平成16年3月22日 消防局訓令第7号
平成28年3月1日 消防局訓令第1号
平成30年3月28日 消防局訓令第2号